2010年10月13日水曜日

モルディブ物語 BIO HAZARD

 強行なスケジュールからの大量飲酒、睡眠不足、パドリングで疲労した我々部隊に見えない敵が忍び寄っていた。

第一感染者はあの幹事 「渡辺氏」であった。
船上で彼から渡されたペトボトルにはあの「T-ウィルス」が入っていたのだ。

喉に違和感を感じた俺は渡辺氏を追及した。

「なんか、寒いんですよね~。関節も痛いし」

T-ウィルスは間違いなくその猛威を振るい始めていた。

抗生物質を投与し、誰かの持ってきたエスタック+バッファリンをBEERで処方すると渡辺氏は深い眠りに着いた。

その頃、感染者は広がりを見せ私、マキさん、デタロウ、メイ、タツヒコへと次々に不調を訴える。

この日は静養の為「NO SURF」を決め込みメイとチャンピオンマサタケとの3マー対決となった。

SURF班は「コークス」(レギュラーポイント)に出て行ったが、明らかに隔離処置されたとしか思えない。

私達を載せたCARINA号はさながら野戦病院の体をなしてきたように感じた。

マリゲはドーニーの錆びた錨で背中を損傷、メイはリーフで足の裏を切り、石原氏においては何故か自分のスケッグで足を切っていた。

「この調子で、最後までもつのだろうか」
にわかに暗雲の立ち込める船内。

そこへ朗報が飛び込んだ。
寺沢スポーツ特派員 伊藤ヨシカレポーターからだった。

「ギャハハーーー!!聞いてくださいよ! あごなし、BALI事件再び!!」

と題された記事の内容はこうだ。

1. 集団入水を危惧したゴリは様子を見に入水。
2. 「乗れてる」ヒトが入ってない→ピークからガンガン乗る
3. 外国人(白人)、面白くないが言えない
4. メンバーが着々と入水→ まきさん、よしか 少々のマエノリ感あり
5. 外国人テンション20からスーパーハイテンションへ
6. そこにあごなし登場、ちゃらそうな彼に外国人身構える
7. 壮絶なパドル争い→ あごなし波GET! きわどい(本人談 他メンバーはあごなしのマエノリだわと)
8. 外国人の攻撃 「HEY!! FUKIN'g Ф〇△*Λ##%$”!!!」 ぶち切れる!
9. ニヤつくあごなしに更にヒートUPする外国人
10. 中指を立て怒り狂うへたくそな外国人の口激にたまらずゴリに助けを求めるあごなし。
11. ゴリ「おい、仲間だと思われるで おれに話しかけるな」
12. いじけるあごなし 
13. あごなしは逃げ出した
14. あごなしは何かを落としていった
15. ゴリは「何か」を拾った
16. ふつうのアゴだった

あの「2008 BALI サヌールリーフ事件」以来、軽快されてきた愉快犯「あごなし」

彼はまた伝説を作ってしまった。

ワタシはかわいそうな彼にこう囁き癒した。

「メガンテ」



その一部始終は伊藤特派員、パパラッチデタロウのサイトを通じ世界中に配信された。
http://ameblo.jp/detaro777/

メンバーの奥様や彼女などはこのサイトが唯一の情報源で、日々チェックをしては「監視の目」を強めていたという。

話を戻そう。

冒頭の「T-ウィルス」は今だ船内に充満し、犠牲者はあとを立たない。

ワタシは「ガスマスク」を付け、病原の特定にかかった。かねてから「異臭がする」と囁かれていた研究所の場所は直ぐにわかった。

「NO,05」 と書かれた研究室のドアを恐る恐る空けると・・・

背中に「蛇8」の刺青の男と「ヒザに黒い布」を巻いた男が倒れていた。

まだ息がある。

ワタシは「蛇8」の男に事情を聞いた。

彼はかすれた声でこう言った。

「 せ、 洗面所の・・・ドアだけは・・ 開けないで・・  」 そういい残すと彼は意識を失った。

ワタシは勇気を振り絞り「洗面所」のドアに手をかけた。

これはメンバーを守る私の指名なのだ。

「ガチャ」 ドアが開いた。

部屋は畳2畳ほどの広さ、洗面台、シャワー室がある・・・ とその時!!

「ギャーーー!! っく! くさーーーーい!!」

先程まで倒れていた「ヒザに黒い布を巻いた男」が突然起き上がると苦しみ、のた打ち回った。

そう。 彼らの個室の近くには恐らくメンバー全員分の「う〇こ」の入った汚水タンクが存在し、配水管を逆流。
エアコンで冷やされた「う〇コ臭」は温度が低いためB1Fの廊下、客室に充満していたのだ。

ワタシとあごなしは1F、テイイチ+デタロウは2Fなので一切感じなかったのだが、残りのメンバーはB1F。

「部屋、上のほうあいとるだもんで変えてくださいよ~」との意見は却下され彼らの「生態実験」はすすんだ。


船は綺麗な海を「くさいにおい」と「としや」を載せてすすんだ。

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