2010年10月15日金曜日

モルディブ物語 ヒーロー編

旅には必ず「ヒーロー」が存在する。

ツマミ等を補充の為、私達はCOCACOLA島上陸作戦を決行することとなった。

4日ぶりの陸地に隊員の多くはこの日を楽しみにしていただろう。

島といってもサンゴ礁の上に出来た海抜は1m程度の陸地。

モルディブ共和国のCOCACOLAの工場兼配送センターがあり、海岸際には立派な埠頭がある。

久しぶりにパンツとズボンをはき、カメラ等片手にワクワクする彼ら。

その中に、すでにヒーローは存在した。

左耳にボディーピアスというなんとも切ない感じの38歳 鈴木トシヤ、ことごとくビみょーなタイミングではずしてくる彼のスベリ芸はすでに神の領域。

あの「エノ」でさえ彼の神々しさにはついていけぬという。

その「神」が2007 全日本選手権マスタークラス第4位の藤井氏をあおる。

船が接岸(といっても係留は出来ないため飛び移る系)した際、「おい、ゴリ!はやく行け!」「おいデタロウ!落ちるなよ!」

何故かいきなりのハイテンションの神(4歳年上)に「うるせえ!クソトシヤ!!」との罵声を浴びさすと「ヒョイヒョイ」と上陸に成功。

この時にメンバーは「持ってる男」のポテンシャルの高さにドギモを抜かれる。

18人中17人がビーサンの中、「オシャレな神」は何故か真っ青なクロックス。

船のへりから飛んだ瞬間!

「ずるっ!」

軸足が見事にスベリ埠頭の角に抱きつく「「神」」 トシヤ!


メンバーが心配そうに駆け寄る。

苦痛に顔をゆがめ「ウェストポーチ」をしっかりと抱きしめた「神」はヒトの手を借りることなくあわてて船と埠頭の間から脱出した。

この状況の場合、仲間の助けを待つよりも自力で生還するのが正しい事を「神」は身体で知っている。

なぜなら、彼を「神」にしたのは俺だからだ。
「素材のいい」彼を神にするには15年かかった。

そんな「神」にマリゲがやさしく言った。

「ねえ、俺のカメラ、壊しとったら弁償ね」
ト「ううう・・・、みぞおちが・・・ お、おれよりも、カメラかいっ!?」

すこし「ボケ」を入れたつもりなのか「カメラかいっ!」は中途半端すぎた。

この半端すぎでいつも大やけどする「神」トシヤ。


住民の見守る中、モルディブはコカコーラ島にて、メンバー全員から「フクロ」にされるのを見て島民もうれしそうだった。

島は縦横に道路が作られているのだが、舗装はナシ。
真っ白い砂でならされており、民家を仕切る壁は手塗りのモルタルをパステルカラーで塗装されている。

小さいながら店もあり、デタロウは四角いビーサンを購入していた。


すごく綺麗で小さな島の村、澄んだ空気の中、足あとだらけのTシャツを着た「神」はどこに行っても人気者で、判るかわからないかのギリギリのギャグをひとりでかましていた。

船に引上げると一行はまたまたBEER。

マージャンをするもの、音楽をききながら談笑するもの、屋上で星の観察をするもの、 思い思いのスタイルでくつろいだ。

すると!先程からキャスティングを繰り返していた「石原氏」の竿がしなった!!

「きっ! きたっ!!!」 

根元から竿がしなり、ぐんぐんと下に向かって入っていく!身を乗り出しやり取りする石原氏の真剣な表情に大物の期待感があがる。

「おい!としや!邪魔すんな!!」

ドサクサ紛れにいろんな野次がとび、最後にはエノがちっこいバケツでランディング。

釣れたのは40CMのロウニンアジ、 GTだ。

こうなると元祖「猿の集団」

全員釣り。

やがてあきらめたものからぼちぼちと睡眠に入るのであった。


翌日はポイント移動。
サイズUPが噂される中、「うねりに敏感な」方向にCARINAは移動した。

コークスは先日の夕方班によるとイマイチらしい。

そこで初日に入った「ホーキンス?」に行くと・・・


貸切!!!! スーパーレギュラー!!! 時折SETダブル↑

カウンターでセット3本GET。  波、どいい!!! TUBEありマス。

全員でSURF!  最高!!  天気、波、ロケーション! まさにヤバイ空間。

しっかりと眼に焼き付けるべくみんなを見る。

そんな時、俺は目を疑った。

メンバー中ただ一人、SURFINGをやったことの無い「テイイチ」が、マキさんから貰った「海パン」をはき、誰かの板をもって飛び込んでくるではないか!!

どうやらマリゲが炊いたらしい。

まるで「溺れる蟲」のようなパドル。

だが、少しずつこちらに近づいてくる。

すると!横についていたマリゲはテイイチを放置、おのれのサーフィンに戻っていった。


そこに!! ダブルオーバーのセットがテイイチにおそいかかる!
「フォーーーーフォーーーーー!!」 叫ぶメンバー。

その声に何故か向きを変えようとするテイイチ!

割れかけのリップに絡まったら「即死」だ!

あまりの危険度&おバカ度にテイイチに近づくと「こ、こわいよぉ~、波、どでけーじゃん・・・」

渡辺氏と二人でボートまで連れて行き俺のモルディブラストサーフは終わった。

だんだんとメンバーが引上げてくる。

「いい波でしたね!」「あのセットやばかったじゃん」とか会話し、残りのSURFERに注目。

ライディングとゲッティングを繰り返すヨシカもやがて終了、ヘビケンも上がってきた。

残るはエモとデタロウ。

エモは硬くインサイド、デタロウはゴリの指令でセットまち。

やがてエモ、セットにさらわれ終了。
するとそこに欧米風外国人が5人入ってきた。

6人のセッション・・・ ありえん。

船から「応援」「野次」「罵声」が飛ぶ。

20分後・・・ 彼はセットの波を見つけると・・・ パドリング!! TAKE OFF! 

ブヒブヒとアップスダウンをすると当て込むか!?と思いきやすごい勢いで波の中に消えていった。

シャローでっせ。 大丈夫か!? みんなが見守っていると・・・


何故か板が2本。

そう、ラストWAVEはまさかの「マエノリ」。

「ギャハハハハハーーーーー!!! なんじゃありゃァアアああああ!!!」

こうしてラストサーフが終了し、俺達は 「シンガリMODE」へ突入した。


前出の「神」は  「いいセットだったや~」とつぶやくと

「アンなん、セットじゃねーーわ!この芋野郎!」と絶賛されていた。


「神」のストレスはもはや臨界点に到達し、ハルマゲドン「神 VS ムエタイチャンピオン堀内マサお」のゴングまであと2時間と迫った。

彼らはおのれの度胸とプライドの為、このあと「コブシ」を交える!!

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