2010年10月11日月曜日

モルディブ物語 予選

私達を乗せた飛行機は一路コロンボに向かい飛び立った。

眼下には我らが故郷太平洋が広がり、遠く富士山も見えた。

60年ほど前、同じ空路を自分達の祖父世代の人達は若くして国の為、飛び立っていったのだろうと思うと本当に虚しくおもった。

私達の空の旅は快適であった。

ただ、座席についている「TVゲーム」はほとんどのコントローラーが地味に壊れており、ハイテク機材のカタマリの旅客機の真否が問われる。

それに前回のゴタゴタのせいか俺の席は隣が「外国人」しかも・・・ 腋臭!!

「行きの機内は終わったな」と思ったが、1.5時間後 モットーの配慮で全席に移動できとりあえず「新鮮な空気」は確保できた。

WCをはさんだ前方からはマリゲのはしゃぐ声、後方には秋山の「坊主頭」が見える。

各所から「ぎゃはははははーーーーーーっ」との笑い声が周囲のヒンシュクも省みずとばす。

何度かの「BEER お替り!」をよしかと呑み、明日からの波を思う。

すると・・・ 前方からバッグを持ったマリゲが。

股間、びしょぬれ。


どうやら「こぼし」を行ったらしい。

彼の周囲の旅客はしかめっ面で彼を見ている。

こちらに話しかけてくるので「無視」を決め、他人を装う。

コロンボからマーレへの飛行機は悪天候の為、かなり揺れた。

途中、エアポケットに入った。

「がっくーーーーン」と落ちたあと「ゴゴゴゴゴゴーーーー」すごい揺れに一同「おおう~うううっ」

アナコンダ(通称 石原潤)は、結構飛行機の揺れなどには敏感で「やべえ、やべえ」と繰り返す。


すると後方からゴリ(通称 藤井幸二)がやってきた。

彼は頭から「びしょぬれ」

てっきりおふざけBEERかぶりかと思い「おいおい、なにやってるだ!」と攻めると

「いやいやいや、勘弁してくださいよ~!さっき揺れた時に、後の外人がオレンジジュースぶっ掛けやがって!」と。

オレンジゴリラはそう叫ぶと添乗員に助けを求めた。
すると片言で「オキャクサーン、アブナイカラチャクセーキ、オネガイシマス」とディスられていた。

そんなこんなでマーレに着いたのはAM2:00をまわった頃だった。

現地は「強風の雨」 着陸は機体が20度くらい傾くあぶねえ感じだった。

やはりパイロットも 「荒い」

あとで聞いたのだが、この飛行機はこのフライトが最後だったらしい・・・ いわゆる「廃機処分・・・」こ、こわい・・・。

入国手続きを済ませ空港を出ると案内人が「CARINA」とかいたカードを手に待っていた。

モットーが話す・・・ が、表情が険しい。
20分後、「どうした?」と聴くと「なんかカネが欲しいらしくグダグダ言ってるけど、こっちはチャントやったルで問題ないっすよ、ガイド料を取ろうとして言ってるだけです」

まあ、どこにでもあるやり口だがこの旅の幹事が相手では現地人も分が悪い。

早速水上タクシーの手配をし、いよいよボート生活が始まった。

これまた「荒い」水上タクシーの激揺れにヨシカはGIVEUP。

真っ暗な海を進むと海上に揺れる煌煌としたライトがいくつか。

真っ白な豪華クルーザーがひしめき合い並んでいる! なぜかちょっとリッチな気分。

テンションの上がる一行!

「これか?いやちがう。 あ、あれかっ!!」


一行は いよいよ俺たちの共同生活の場「CARINA号」に乗船した!!!
クルーの「ガヤン」のWELCOMEジュースでほっと一息、早速「見送り班」の気持ちを張り出す。
船長も気さくなヒトでCARINA クルー! 最高!!

デタローを早速竿を出すと得意の「サビキ」で小魚をGET!

鼻の穴が膨らみ、興奮を隠しきれない様子。

ソレを尻目に今後の行動、予定などを確認する渡辺幹事。

部屋割りは平等にくじ引き。

俺は8号室、ラウンジの横あごなしと相部屋、おびえるあごなし。

部屋内はベッドがダブルとシングルがひとつづつ。

各室WC、とシャワー、エアコンを完備。

システムの稼動には部屋ごとに格差はあるが充分いい。

ダブルベッドの上にさりげなく置いてあるあごなしのバッグを捨てると一気に眠気が。


翌朝、わずかに睡眠をとりようやく俺達は「波乗り」に出かけた。

全員が初めての土地、波、ヒト・・・ 恐ろしいほど綺麗な海、最高のロケーション!

イルカ、海カメ・・・ マンタ!!  水上コテージ、水面着陸ヒコーキ、カリーナの後部にぶら下がったFREEBANANA!

ドニーに板を詰め込み最初のポイント「ホーキンス」? (とクルーはいっていたがどうもあやしい)http://www.google.com/mapmaker?ll=4.313001,73.58457&spn=0.00283,0.003449&t=h&z=18&hl=jaは強風の中、肩くらいのブレイクがあった。 この日はまだ小潮。日が経つにつれ汐が大きく、つまりサイズがUPしてくる。

日にちをチョイスしたのはこの為でもあった。さすが 「渡辺幹事」 お見事!

先行者が4,5人いたため1/3づつ入ることにして・・・ とかいってたらデタローと一緒に捨てられた。

仕方が無いのでパドルアウト。

クルーザーやドニー(運搬用中形ボート)をいくつか通り過ぎるとだんだんとブレイクが見えてくる。

途中、遅れそうになるデタローと話しながらモルディブのサンゴ礁をパドルする。


こんなことって あり?? NOにちじょーネーションじゃん!

距離はかなりあったが 疲れなかった。

ポイントではすでにゴリがリップを爆発させ、ピークの更に奥には「あごなし」がフラフラとボトムターンをしている。


この「フラフラターン」が後日、事件になる事を彼は知る由も無かった。

メンバーの中でひとりだけサーフィンをやらないテイイチは小型ボートに仁王立ち、8000番のステラでGT用ポッパーをひたすら投げている。


俺たちは ようやく「現実」から「夢の中」に逃げ込んだ。

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